子ども達が山に逃げようと訴えていたにもかかわらず、なぜ、山に逃げなかったのか。
現地を見ることで、その疑問を解消できることを期待して、昨年、12月末に大川小学校跡地を訪れました。学校跡地から見える山の斜面は急で、山に逃げることも十分危険なように思えました。もし私がその場にいたとしたら、やはり山には逃げなかっただろうとその時は簡単に結論づけました(後日、勉強不足ということがわかりました)。
しかし、遺族の怒りが収まる気配を見せないこの事故が、その後も気になっています。
続きは後日。
明日は、矢巾町小学校陸上記録会が花巻市の日居城野陸上競技場で行われます。毎年利用している紫波運動公園陸上競技場が、8月の豪雨災害のため使用不可となり、代替会場を確保しての実施となります。
待ちに待った、息子の陸上競技デビューです。お嫁ちゃんがしっかりとゼッケンを縫い付けて、準備完了!
と、思ったら!
2週間前に新調したランニングシューズのラバーの靴底が剥がれそうになっている!!!
初期不良、残念!
競技中(1000メートル)に剥がれたらどうする!!
お嫁ちゃん、よくぞ気がついた!!!
以上は、私が残業中の出来事。お嫁ちゃんは、必死で閉店間際のホーマックに走り、優秀な接着剤を買ってきました。
明日、一日だけ。それだけ、持ってくれればそれでOKです。
水害対策というものは、どこまで出来るものでしょうか。
今回の豪雨についてアメダスの気象統計を確認しました。推測ですが、矢巾町では観測史上最高の降雨量を記録したのではないでしょうか。以下の各地域は今回の大雨の記録があった地域で、ルートを直線で結ぶと雫石、矢巾、紫波、大迫となります。ちなみに盛岡は記録的という程では無かったようです。
日降水量(括弧内は観測史上の順位)
雫石 264mm(1位)
紫波 211mm(2位)
大迫 135.5mm(2位)
※盛岡の過去最高(24時間)は198mm
日最大1時間降水量(括弧内は観測史上の順位)
雫石 78mm(1位)
紫波 71mm (1位)
大迫 63.5mm(1位)
※盛岡の過去最高(1時間)は62.7mm
ちなみに煙山、不動、徳田の各地区には農業用の気象観測施設があるようですが、あの時間のみの観測データが欠落しており、施設付近が激しい降雨だったことが想像されます。
そして、この地を流れる「厄介な川」が岩崎川の存在があります。
今回の矢巾町の浸水被害の報道見て、心配をしてくださった知人の方々(ほとんどがお嫁ちゃんの知人!)から、「矢巾に川って、あったっけ?」との言葉が。その通りです。普段は水量も少なく、小学校の授業でも「生き物調査」と称して長靴を履いて子ども達が入るほどの目立たない川です。しかし、矢巾町史下巻p.1229には、この地を長年苦しめている川であることが紹介されています。
「岩崎川はその源を南昌山に発し、(省略)水源地である南昌山、金壺山、毒ヶ森山、赤林山等は石英安山岩質凝灰石等により構成されたる山で崩壊性に富み、全山共に山容急勾配で降雨出水の度毎に山の崩壊河川底の流動、河岸の欠潰を惹起し、土砂、砂礫を大量に流下させ、随所に氾濫して田畑家屋に浸水し耕地を埋没し、又、道路、橋梁護岸等の土木工作物を破壊し損害甚大にして旧村民に大きな不安を与えて来たものである。」
「(省略)灌漑用水路として大きな利益をもたらした反面、誠に癌である川で普通は水無川といいたいほど少量の水が流れ、それが毎年洪水季節になると予想もつかぬほどの大量の流出をもたらし関係者をして常に戦々恐々たらしめておったと言われている。」
矢巾町史では、防災ダムである「煙山ダム」の完成を以て水害が解消されたという書きぶりとなっています。それに留まらず岩崎川の河川改修はその後も進められていますが歴史を変えることができるのでしょうか。
雨量の話に戻りますが、先月7月の月降水量のデータも掲載します(括弧内は観測史上の順位です)。
雫石 438mm(2位)
紫波 437mm(2位)
大迫 429mm(2位)
※盛岡 461mm(1位)
ダムも田畑も水で満たされていたところへの降雨だったのかもしれません。この水を「癌である川」に任せられないと思うのは私だけでしょうか。
矢巾町を襲った豪雨、まさかの浸水被害でした。「想定外」の怖さをあらためて感じた今回の大雨でした。被害のあった方々に心よりお見舞い申し上げます。
8月9日(金)
昼休みに勤務帰りのお嫁ちゃんから「マックスバリュ裏の宅地が冠水している!」との電話連絡あり。昼過ぎからスマホの緊急速報が鳴りまくり、近隣の地区の被害が明らかになってくる。煙山小学校の緊急メール連絡網でも「岩崎川が氾濫し児童館も浸水しそうな状況です。子ども達は煙山小学校体育館に避難して無事です。・・・」とのこと。ものすごく心配になって、Twitterで「矢巾」検索すると、矢幅駅の他、町内の冠水状況が明らかになる。JRが運休しているので、残っている学生の帰宅・送迎について職員らが相談する。
しかし、「(Twitterの)写真の場所は、(地形的に)確かにそうなるかもしれない。でも、自分のところは大丈夫だろう。」という安堵感があって、とりあえず通常どおりの勤務を終えて帰宅する。
矢巾の市街地を抜けて駅へ、駅通路を通って駅西へ。。。と思って歩き始めたが、至るところに黄土色の小川が出来ていて右往左往し(遠回りするのを嫌っただけ)、結局、ズボンの裾をまくって裸足で歩く。
1時間位かけて我が家に着いたら、小学校から児童の安否確認のメールが届いている。体育館に避難している子ども達は居るのか?先生方は徹夜の対応か?何か手伝えることは無いか?ということで小学校へ自転車で行く。
農免道〜矢次公民館前を通って行こうとするが無理。矢次公民館前の道路は水の流れもひどく泥に足をとられて転倒しそう。消防団の人にも引き返すよう促され、農免道に戻ってファミマ交差点、JA交差点を経て小学校へ。
子ども達は全員帰宅し、小学校体育館には数人の方が避難している。他地区から100人程避難してくるという報せがあったらしく先生方が準備していたが、結局無しということになる。特に手伝う事もなく、農免道をぐるりと回って帰宅する。
8月10日(土)
お嫁ちゃんの通勤ルート確認のため様子を見に朝一番の偵察。水はだいぶ引いているものの新田の浸水地区内は黄土色の水が流れている様子。
午前は、盛岡工業高等学校電気科が主催する「夏休みものづくり教室」に息子が参加する。岩手県交通矢巾営業所から盛工までの道路を走行するが、湯沢団地入口付近も冠水が甚だしかったらしく、道路は泥だらけで水もどんどん流れている。家々では、泥上げ作業をしている。
息子のテニス送迎等々の後に、夕方、矢次公民館付近、新田の浸水地区内の様子を見に行く。庭の土が流されコンクリート基礎が顕になっている家もあり、流れの激しかったことを知る。知人の話では、あっという間に水かさが増えて腰まで水に浸かって逃げた、至る所で渦が発生していたとのこと。
矢次公民館〜煙山小学校の通学路が分断される。11日現在、南矢幅方面からの通学路、赤コース、青コース共に使用不可、通学路なし。
8月11日(日)
自治会のボランティア活動で、泥上げ、流木や流れてきた草等の撤収作業に参加。新田地区内3個所に分かれて開始、参加者50名以上。避難所として新田公民館が活用されていた2日間、その対応に追われていた赤丸自治会長、大林公民館長の指揮の元、作業を行う。